【実体験】元ブラック企業戦士が語る!眠気を我慢し続けるとどうなるか

運転手入門/基礎

はじめに:これは今では笑い話ですが、警告でもあります!

こんにちは!今日は少し変わった記事を書こうと思います。

テーマは「眠気を我慢し続けるとどうなるか」

眠いけど、寝たり休んだりするどころか集中を切らす事すら許されない状況…

元ブラック企業戦士の僕が、実際に体験した壮絶なとある一夜の物語をお届けします。笑って読んでもらえると幸いですが、決して真似はしないでください


地獄の始まり:900km先への深夜便

あれは青果の繁忙期の出来事でした。

明け方までクタクタになるまで走り回った後、たった3時間の仮眠。
その後朝から夜まで手積みで雇車たちの積み込みを何十台も手伝い、やっと自分のトラックに満載の荷物を積み込み完了。

出発時刻:20時過ぎ

目的地:900km先の市場  制限時間:競りに間に合わせろ  休憩時間:ゼロ

430休憩?そんなのん気なことは言ってられない。少しの休憩すら許されない状況でした。

そんな一夜の記録を、段階別にお届けします…👻

ちなみに東京ー大阪間が約500km。東京ー青森間が約650km。
900kmとはだいたい東京から山口までの距離ですね。


【第一段階】もう眠い…まだまだ序の口

さぁ出発!でも既に体はクタクタ、もう眠い…

症状:疲れて頭がボーッとして、とにかく疲れて眠い

「あー、眠いなー」

この時点ではまだ普通の眠気でした。コンビニでコーヒーでも買えば何とかなるレベル。

でもこれはまだ第一段階に過ぎません。こんなのはいつもの事です。


【第二段階】体の異変が始まる

症状:まばたきに全力投球&心臓バクバク

まばたきの度に力を入れて目を開けないと目が開かない状態に。

そして心臓が異常にバクバク。全力疾走の後なんてもんじゃありません。1秒間に5〜6回かそれ以上のリズムで鼓動していました。
なんで極限まで眠いと心臓が早くなるんですかね??

「あれ?これヤバくない?」
でも、止まるわけにはいかない…


【第三段階】思考能力の崩壊

症状:方向感覚喪失&思考停止

通り慣れているはずのジャンクションで、どっちに行ったら良いか分からない

そもそも今自分が何をしているのか分からなくなりました。もはや「考える」ことすら出来ない状態。

不思議なことに、考えることは出来ないのに時間の流れが極端に遅く感じるんです。
まるで時が止まったような感覚でした。

ちなみにこの辺からトラックの中でいきなり奇声を上げたり、発狂し始めます。
ですがまだ眠気の段階をあと2回もオレは残している…その意味がわかるな?


【第四段階】現実と幻想の境界線崩壊

症状:幻覚・幻聴の登場

ついに来ました。幻聴です。

誰とも電話していないのに、いきなり話しかけられる声が聞こえる。

そして幻覚

何故か山あいの高速道路の道路脇にでっかいカーネルサンダースがいました。ゴジラサイズの(笑)

今思えば笑い話ですが、当時は「あ、カーネルサンダースだ~」と特に疑問を感じる事もありませんでした。怖いですよね。

違う日には道に飛び出してきたおばあちゃんを撥ねてしまう幻覚を見たこともあります。
あの時は万が一幻覚じゃなかったら一大事なので一応警察を呼んで調べてもらいましたが、「運転手さん、これが現実になる前にちゃんと休んでね」で済みました。


【第五段階】完全なる意識の分離

症状:頭の中で勝手に会話&現実認識の混乱

頭の中で誰かと誰かが勝手に会話を始める。僕の意志とは関係なく、知らない人たちが僕の頭の中で話し始めるんです。

さらに、実際に見ている物と脳が認識する物が全く違う状態に。

実際に見ているのは深夜の高速道路なのに、頭で認識しているのは全然違う風景。

「起きながら夢を見る」「目を開けて寝る」
この表現が一番近いかもしれません。


ゾンビモード:荷卸し作業

なんとか目的地に到着。荷卸し開始。

もはやゾンビでした。

そこに一切の思考はなく、ただ無表情で無心に荷物を下ろす。まるで自動機械のように。

空がすっかり明るくなった頃、荷卸しを完了し受領書を受け取り、トラックを邪魔にならない場所に移動。

サイドブレーキを引いた瞬間、僕の意識は途絶えました。


最後のオチ:「ここはどこ?私は誰?」

でも体が寝たことを認識していないのか、居眠り運転をしている夢を見て慌てて飛び起きてブレーキを思いっきり踏みました。

でもそこは市場の駐車場。

正真正銘「ここはどこ?私は誰?」状態。

完全に記憶が飛んでいて、自分が何をしているのか全く分からなかったんです。


まとめ:命あっての仕事、命あっての笑い話

笑って書いてるけど、実際は命がけでした

この記事を読んで「面白い体験談だな」と思ってくれた方もいると思います。

でも、実際は本当に命がけでした。

今思えば無事故だったのが奇跡だと思います。
あの状態で900kmも運転していたなんて、本当に恐ろしいことです。

今でも続く後遺症

こんな生活を何年も続けていた結果、あれから数年経った今でも睡眠障害で苦しんでいます。

どんなに睡眠環境を整えても連続して4時間以上眠れません。必ず途中で目が覚めてしまうんです。

元ブラック戦士からの本気の忠告

「眠気を我慢=自分の命を削る行為」

これは間違いありません。

ブラックな働き方、マジで推奨しません。

これは元ブラック戦士の僕からの、本気のお願いです。

どうかホワイトな会社で余裕のある運行で楽しく仕事をしてください!
運送業界はホワイトとブラックで全く違う世界です。ホワイトな会社に入れればこんな体験とは縁遠い生活が送れます!


おわりに

この記事が少しでも面白いと思ってもらえたら嬉しいです。

でも同時に、絶対に真似はしないでください

睡眠不足は本当に危険です。”寝れない”というのは、体も心も蝕みます。
自分の体と命を大切にしてくださいね。

命あっての仕事、命あっての笑い話ですから。


※この記事は実体験に基づいていますが、決して推奨する行為ではありません。適切な休息と睡眠を心がけましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
またお会いしましょう!

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ひろかず

ひろかず/トラックドライバー歴13年/現在大型トレーラー運転手&新人教育担当
未経験からトラック業界に飛び込み、現在は大型トレーラー運転手として勤務中。
これまでに延べ10名以上の新人ドライバー教育にも従事。
現場のリアルな情報や経験をもとに、初心者に寄り添ったブログ運営を心がけています。

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