大型連休のレジャーシーズン。
普段は走らない一般ドライバーが高速や幹線道路に溢れ、
プロのトラックドライバーは普段以上に気を遣う時期です。
でも、どんなに経験を積んだプロでも、
「おいおい!」と思う場面や苛立ちを感じる瞬間はあります。
今回はそんなときにどう気持ちを落ち着け、
冷静なプロの運転を続けるかを、実体験や実例を交えてお話しします。
苛立ちの原因
まずは、よくある「苛立ちパターン」とそんな時のおすすめの考え方を知っておきましょう。
- 煽られる イライラ度☆☆☆
これはトラックドライバーなら日常茶飯事ですよね。仕方ないです、だってトラックは加速も遅いし荷物を積んでいればスピードなんて全然出ませんから。
そんな時は→ 「トラックは長いから10数メートル後ろで一生懸命煽ってくれても、ミラーからはほとんど見えてないよ〜😜」 - 高速の合流で譲ったのに、そのまま並走・加速 イライラ度☆☆☆☆
これは同業者でもいますよね。同業者にやられた時は「この業界3日目くらいなのかな?」って思うようにしています。相手の気遣いに気が付けるのもプロの技術の1つですよね。
そんな時は→ 「ま、プロの気遣いは分からないか!ははは😜」 - 右車線から追い越そうとしたら加速して対抗してくる イライラ度☆☆☆☆
僕はこれを「絶対に抜かされたくないマン」と呼んでいます。本来追い越し妨害で違反なんですけどね😜
そんな時は→「まぁ素人だし…ほら、頑張れ頑張れ」(特級呪霊を煽る宿儺風に) - サービスエリアの大型レーンに一般車が停まっていて自分が停めれない イライラ度☆☆☆☆☆
→ これはもう…どかしてもらいましょう!こっちは仕事ですから! - 割り込み イライラ度☆☆☆☆☆
あれ、なんでわざわざトラックの前に割り込んで来るんですかね?トラックはそんなすぐに止まれないの知らないんですかね??もしかしたらウ〇コ漏れそうで焦っているのかもしれませんね。
そんな時は→「俺が突っ込んだら俺は無傷で済むけど君はタダじゃ済まないよ?
生殺与奪の権を他人に握らせるなー!!!」(水柱風に)

自分はプロ、相手は素人!
そう思えるだけで、少し心が軽くなることもあります。
苛立ったときのプロの対処法
深呼吸して姿勢を正す
感情が高ぶると心拍数が上がります。
まずは深呼吸し、背筋を伸ばして一段ギアを下げましょう。
「相手は素人」と割り切る
例えば、大谷翔平選手は小学生のプレイに腹を立てませんよね?
こっちはプロ。素人がどれだけ自信満々でも、技術も経験も先を予測する力もこちらが圧倒的に上です。
特に相手がサンデードライバーだった場合、我々との技術と経験値の差は大谷翔平選手とカツオ&ナカジマ以上です。
「仕方ないな、頑張れよ」と優しい目で見守りましょう。
車間距離を広げる|一旦止まる
苛立つと車間が詰まりがちです。
苛立つ車とはもう物理的に離れてしまいましょう。
意識的に離れることで、心の余裕が生まれます。
独り言で流す
「まいったなぁ」「危ないなぁ」と軽く口に出してみることで、
気持ちをリセットしやすくなります。
僕の対処法
YouTubeで「il vento d,oro」(ジョジョのあれです)を流して、相手をボコボコに…そりゃぁもうボッコボコにする妄想をします。
そうするとなんかおかしくなってきてどうでも良くなってきます。おすすめです(笑)
実例紹介:いっときの感情が招いた悲劇
🚨 首都高 車線ふさぎトラブル(2024年11月)
首都高速でトラックが感情的になり車線を塞ぎ、後方の乗用車が接触事故。
その様子はドラレコ映像とともにSNSで拡散、ニュースやネットメディアでも大炎上。
- ドライバーは即日事情聴取・業務停止。
- 運送会社は謝罪会見・取引先から信頼を失い、一部契約打ち切り。
- 公式サイトやSNSは一時閉鎖、問い合わせパニック。
- ドライバーは解雇・再就職困難。
たった一瞬の感情が、個人も会社も積み上げた信用を一気に崩してしまいました。
今の時代、SNSリスクから身を守るのもプロのスキル
今はドラレコ、スマホ、SNSの時代。
本人にそんなつもりがなくても一般ドライバーからは
- 「煽られた!」
- 「威圧された!」
- 「危険な運転だ!」
と受け取られ、すぐにネットに晒されるリスクがあります。
技術だけでなく、感情のコントロールや危機管理能力も、
今のトラックドライバーには欠かせないスキルです。
プロとして持つべきマインド
- プロは「安全に帰る」が最優先。
- 他人を教育するのは自分の役目ではない。
- 苛立つ自分を責めず、「これもドライバーの仕事の内」と考える。
何より『あとで見返されても恥ずかしくない運転』こそがプロの誇り。
それが自分自身を守り、仲間や業界の地位を守る一歩になります。
💬 さいごに
僕も10年以上のキャリアの中で、苛々したことは数え切れません。
「煽ってやろうか」「クラクション鳴らしてやろうか」「進路妨害して怒鳴りつけてやろうか」
と思ったことは百や千じゃ足りません。
正直、深呼吸したって一旦トラックを停めたって苛々はそんな簡単には消えません。
でもその感情は、通り雨のようなもの。この感情が一生続くわけじゃない。
「僕の仕事は、この素人に制裁を下すことじゃない。
今背負っている荷物を、無事に届けることだ。」
そう何度も自分に言い聞かせ、歯を食いしばって、今日までやってきました。
きっとあなたも何度も歯を食いしばってきたはずです。
でもそんな経験がきっとあなたの人間性を成長させてくれる。

何があっても「ははは」と笑い飛ばせる、
そんなカッコいい大人になろうじゃありませんか!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
僕のブログでは他にもトラックドライバー未経験者や初心者向け・転職希望者向けの記事などがあります。
もしお時間ありましたらぜひご覧ください。
またお会いしましょう!
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